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想像地図・城栄(そうぞうちず・じょうえい)は、想像地図研究所によって作成・描画された想像地図(架空地図)の名称。および、その想像地図の描画計画の名称。

概要編集

古村駅周辺拡大図20110107-001

想像地図・城栄の一部
生方府生方市矢井田区の地図)

現実世界にありそうな「城栄国」という架空の国を、地図という形で表現することを目的としている。

国全域の地図(都市・田舎に関わらず国の地域すべて)を1万分の1縮尺で描くことが目標とされている。また、地図だけでなく、付随する世界観(気候など惑星環境、鉄道のダイヤなど交通事情、等々、架空世界全体の大きな世界観が中心)も創作することにより、現実感を増すことも目標の1つとされる。

2003年に描画が開始され、2008年からインターネット上で地図の公開が順次始まった。名称は、かつては「想像地図・茶柱」が正式名称だったが、2011年8月15日に「想像地図・城栄」という名称に改められた。単に「想像地図」という名称も正式名称であり、こちらの呼び方の方が使用頻度が高い。

2017年10月現在の描画進捗率は約52%で、城栄国全域の描画は2028年1月1日に完成する予定とされている[1][注釈 1]

地図完成後には、地図を書籍として出版することが計画されている(想像地図出版計画)。また、想像地図世界を舞台とする小説の執筆計画も存在する(詳細は後述)。

地図としての特徴編集

地図の見かけはカーナビの地図のような雰囲気であり、交通網に的を絞った地図になっている。「1つの都市」よりも広域的な地域を描くことに重きが置かれている。

  • 道路は種別に応じて色分けが行われ、高速道路は青、国道は赤、県道は黄緑、その他の道路は黄色である。
  • 鉄道も色分けが行われており、JRは深緑、私鉄は紫である。他の地図とは異なり白黒ストライプの模様は使われていない。
  • 境界線は、県境と市区町村境が表示されている。前者の方が太い線で描かれている。
  • 等高線は描かれていないが、山頂の記号は表示されており、標高が数値で示されている。地形の特徴は、主に川の流れによって示される。

図法編集

図法は、メルカトル図法などといった既存の図法ではなく、想像地図の描画のために独自に開発された図法である修正型正弦曲線図法である。これは、正弦曲線図法(サンソン図法)に、「惑星が真球ではなく赤道半径と極半径の異なる回転楕円体であることを考慮した補正」を加えたものである。

詳細は修正型正弦曲線図法を参照

世界観編集

城栄国は、地球からも銀河系からも遙か彼方の銀河「天の沢銀河」にある「泉太陽系」の第3惑星「泉星」にあるという設定になっている。地図中の文字は地名は主に漢字・ひらがな・カタカナで書かれており、城栄国が日本によく似た国であることが窺えるが、実際は城栄国では日本語とは異なる言語が使われているが、想像地図は地名などを含めて全て日本語に(日本風に)訳されて描かれていると設定されている。

詳細は更紗翻訳解釈を参照

なお、この想像地図を包含する宇宙観を意味する単語として「想像地図世界」が使われる。

作者の視点編集

想像地図は原則として「旅人」の視点から描画される[2]。そのため、まだ旅をしていない領域(地図の未描画領域)の情報はほとんど分からないとされる。造物主や為政者の立場から描画するのではないとされるが、これは夏目漱石の小説「夢十夜」の一節「運慶は、仁王を彫刻しているのではなく、木の中に埋まっている仁王を掘り出しているだけだ」という状況と似ていると説明される。

描画方法編集

A4用紙を縦横に結合し、それにペンで道路・鉄道・河川・海岸・境界線などの要素を1万分の1縮尺で描き込んでゆく方式で描かれている。

A4用紙で手描きされた地図は、スキャンにより電子化された後、Microsoft Visio を用いてトレースが行われ、ベクトル地図であるVSD地図が作られる。

これまでに2万5千枚以上のA4用紙が使用され、南北1366km・東西537kmの範囲が描かれている。なお、地図自体の大きさは縦136m・横53mという大きさに及び、体育館のような場所でさえ広げることができないほど巨大である。この大きさは、昭和期のゴジラや「進撃の巨人」の超大型巨人の身長を上回る[3]

なお、全面完成時は南北3000km・東西2100kmの範囲を網羅する予定であり、地図自体の大きさは縦300m・横210mとなる見込みである。

鉄の掟編集

想像地図にはいくつかの「鉄の掟」が存在する。

描画における鉄の掟編集

連続描画の原則編集

これは、想像地図の描画は「紙が全て繋がった状態で描かなければならない」というものである。例えば、A市とB市とC市が南北に並んでいるとき、A市を描いた直後にB市を飛ばしてC市を描き始める、ということはしてはならないということである。

詳細は連続描画の原則を参照

南北一軸の原則(東西完全連続描画の原則)編集

これは、想像地図の描画は「南北の描画の主軸は1本で描かなければならない」(東西方向の1行を見たとき、どの行も連続描画になっていなければならない)というものである。

詳細は南北一軸の原則を参照

世界観設定における鉄の掟編集

災害に関する設定を好き勝手に作ることはできない。想像地図世界において災害が発生した日付は、作者が何らかの災難に遭遇した日付と同一にすることが定められている。

ただし、作者が生誕するよりも前、あるいは作者の記憶のない時代に関してはこの限りではない。

なお、災害に関する設定をすることに関しては、不謹慎であるという批判もある。特に、2015年8月23日に勃発した人工言語作者との紛争に由来して「早津県北部地震」の設定を作ったことに対しては根強い批判があった。

変更禁止の掟編集

既に創作したものを後から改変してはならない。これは、一度描いた地図や一度作った設定を後から直してはいけないことを意味する。

しかし、変更禁止の掟は例外があり、「設定上の矛盾を解消するため、または、リアリティを増すため」であれば変更は許される。描き直しが行われる根拠はここにある。

なお、地物の変化(例えば新しい道路の開通など)による地図の改訂は、「既に創作したものを後から変更すること」には含まれない。

地図番号制編集

久月海峡拡大図20141213-003

地図番号「S185 E250」のつけられた図葉
古野県久住市安武県月島市の境界・久月海峡の地図)

想像地図は縦向きのA4用紙を縦横に連結することで描かれているが、各々のA4用紙には番号がつけられている。「1, 2, 3, 4,…」といった順序的な番号ではなく、「縦(北)方向に何行目・横(東)方向に何列目」であるかを表す座標的な番号体系になっている[4]。例えば、「縦に40行目・横に30列目」であれば「N40 E30」となる。なお、縦の行番号は北へ進むと番号が増え、横の列番号は東へ進むと番号が増える。

この番号は比較的早期に導入されたが[注釈 2]、地図が北と東だけではなく南と西にも広がることが考慮に入れられ、番号の起点は「縦に200行目・横に200列目」(N200 E200)である。

しかし、実際には地図が予想を大きく上回るほど広がり、南下のペースだけが異常に速かった。2011年に縦に0行目の場所に到達してしまった。そのため、そこよりも南は行番号をマイナスにすることで対応が行われた。ただし、地図上での表示は見やすさを優先し、縦方向のマイナス(0行目より南)は「N-」ではなく「S」で標示される[注釈 3]。例えば、「縦に-40行目・横に30列目」であれば「N-40 E30」ではなく「S40 E30」となる。

一方、横方向は今のところ横に0列目の場所には到達していないが、横方向のマイナス(0列目より西)は、「E-」ではなく「W」で表示されることになっている。

なお、2015年現在、描画域の最南端は「縦に-206行目」(S206)である。一方で最北端は「縦に243行目」(N243)である。起点が「縦に200行目」(N200)であったことを思い出せば、南方向に400行分以上進んでいることがわかる。さらに、A4用紙が縦向きに繋げられていて南北方向の1行分の距離の方が東西方向の1列分の距離に比べて長いという事実も考慮に入れると、南下のペースばかりが異常に速かったことが伺える。

地図以外の活動編集

詳細は想像地図研究所を参照

小説の執筆編集

描画開始時の2003年から、想像地図は小説の舞台となる世界を地図に示したものであるということが念頭に置かれていた。しかし、実際には地図の描画が優先的に行われ続け、想像地図世界を舞台とした小説の執筆が行われたのは2008年以降である。

2008年に執筆された小説は推理小説であったが、舞台が架空の土地である必要性が全くない小説であるにもかかわらず、物語の本筋とは無関係な地理描写ばかりが過剰に登場するという問題点があった。また、この小説の設定には現在の想像地図の世界観設定に反するものが含まれている[注釈 4]ため、想像地図の設定としては闇に葬られている。

想像地図の世界観設定が明確に固定化した2011年、再び小説の執筆が始まった。「舞台が架空の土地である」という特性を充分に生かすため、推理小説ではなく異世界冒険小説が執筆されることになった。しかし、地図の描画に追随して作られる設定というものが存在する限り、すなわち、想像地図の描画が完了していない限り、小説の設定が地図の設定に縛りを課してしまい、地図の描画がやりにくくなるという問題を避けるために、執筆は一時停止と再開を繰り返している。

2015年末になり、再び執筆が再開されたが、2016年に入ってからは再び停止状態にあり、今後の予定は不明瞭である。ただし、小説執筆が長期的目標の一つであるという方針に変わりはない。

立体映像編集

想像地図世界を3Dモデリングによる立体映像で再現するという構想が2006年頃から検討され始めた。しかし、地図の描画範囲が大きく広がったことにより、あまりにも広い範囲をすべて3Dモデリングすることの実現性がなくなってしまった。そのため、2012年以降はこの構想について語られる事はほとんどなくなり、現在この構想は廃案となっている。

架空言語の創作編集

異世界であるにもかかわらず日本語が通じるというご都合主義を除去するため、想像地図世界で使われる言語自体も創作することが長期構想として掲げられた(想像地図第五期構想)。

構想実現のため、千織語更紗語という2つの架空言語の創作が計画されたが、2015年8月23日第五期構想の一時中断宣言が行われた。

その後の2016年12月28日、「城栄国では、日本語とは異なる言語が使われていが、想像地図は地名などを含めて全て日本語に訳されて描かれている。」という解釈(更紗翻訳解釈)を正式採用することが決定し、架空言語路線については事実上の未成線となった。

駅名替え歌の製作編集

2014年から、垰瀬内シリーズ(駅名替え歌)の製作が行われている。今のところ架空駅名ではなく日本にある駅名を用いた垰瀬内シリーズ動画が作られている。

架空地図の描画とは直接無関係なこの活動が行われる理由は主に2つある。第1の理由は、垰瀬内シリーズで使われる駅名を参照することで架空駅名を作る上で参考とすることができるため、第2の理由は、将来的に架空駅名で垰瀬内シリーズ動画を作るための技術の蓄積のため、である。

しかしながら、2017年1月16日七川事件発生し、架空言語路線に続き垰瀬内シリーズの創作活動も停止状態となり、駅名替え歌路線の廃止が検討されている。

架空地図学会への参加編集

2015年から、架空地図作者の集まる会合である架空地図学会へ参加を行っている。

歴史編集

この想像地図・城栄には2種類の歴史がある。

1つは描画の歴史であり、これは作者のMACHO筋トレがこの地図を描いてきた歴史、すなわち作品それ自体の歴史(作業遍歴)である。これは描画史と呼ばれており、本項目ではこれに関して説明する。

もう1つは城栄国の歴史であり、地図に登場する「城栄国」の歴史である。これは「作品の設定」、すなわち世界観の一部であるため、世界観設定の変更によりその内容は数次にわたり変更が加えられている。城栄国の歴史については城栄国#城栄国の歴史を参照

描画史編集

描画史は、次のように区分けされた時代区分がある。

  • 描画開始に至る前の前歴(1998年~2003年)
  • 描画第1期(2003年)
  • 描画第2期(2004年~2007年)
  • 描画第3期(2008年~2009年)
  • 描画第4期(2010年以降)
    • 第4期前期(2010年~2013年)
    • 第4期後期(2014年以降)

これは想像地図の世界観の変化に従って区分けされた時代区分である。以下では、これらを時系列順に記述する。

描画開始に至る前の前歴(1998年~2003年)編集

作者のSirnoka(MACHO筋トレ)は幼少期から架空の地図を描いており、記録に残る限りの最古の架空地図は1998年のものがある。この頃は主に鉛筆のみを用いており、最初はトミカサイズ(約60分の1)が主であった。

その後は1000分の1のものが登場し、最終的には1万分の1のものが登場した。1万分の1になってからはペンを用いた色分けが行われるようになった。

ただ、この時期は、それぞれの地図は「単発的」であり、1つの世界観を共有してはいなかった[注釈 5]。また、道路や鉄道が描かれるものの、地名が記されることは稀であった。

しかし2003年春頃、地名を創作し世界観を固定した体系的な架空地図を創作することを趣旨とする「想像地図構想」が検討され始めた。

描画第1期(2003年)編集

第1期は、設定世界観が「関東西部」とされていた時期のことである。

2003年春頃に検討され始めた「想像地図構想」に基づく形で、同年2003年6月29日、A4用紙を縦横に繋げて1万分の1縮尺の手描き地図の描画が開始された。想像地図研究所では、このときをもって想像地図の製作開始と定義している

このプロジェクトでは、関東西部のどこかにあるニュータウン「茶柱市」とそこを走る地下鉄を中心に描画が行われた。

第1期では鉄道路線図がPCベースで作成されたが、地図は手描きの地図のみが製作されトレースなどは行われなかった。将来的なデジタル地図の作成構想はあったが、具体的な方法論について顧みられることはなく、構想の域を出ておらず実現の見通しは全く立っていなかった。

描画第2期(2004年~2007年)編集

第2期は、設定世界観が「日本のどこか」とされていた時期のことである。

2004年になると描画の範囲が主に南と東に向かって広がった。ニュータウンの外縁部の描画も行われ、高速道路や国道と言った広域的な幹線道路が登場するようになる。また、鉄道に関してもJRの幹線路線が登場し、地下鉄という都市内の交通だけではなく、都市間を結ぶ広域の鉄道網が登場した。この頃から世界観は「関東西部」から「日本のどこか」というやや曖昧なものに変化した。

描画範囲は広がり続け、2004年中に初めて海岸部(泉川市)まで到達した。今まで描いていた地域は、日本のどこかにある「茶柱県」という県であると意識されるようになると、県内全域の描画を目指す形で描画が進むようになった。

2006年には、それまでの速度のまま描画を続ければ60年後に完成するという試算が出されるなど[注釈 6]、長期的な描画について意識されるようになってきたのもこの時代である。

手描き地図をPCにトレースする作業もこの時代から始まった。この時代も手描き地図は1万分の1のままであったが、トレース地図は縮刷版という位置づけであり、20万分の1で作成された。また同時期に、想像地図世界を立体映像で再現するという構想も浮上した。

そして2007年2月、描画範囲は茶柱県の南隣の片山県へ到達した。10月には西隣の森崎県へも到達し、森崎県側でも海岸へ到達する。これによって、それまで描いていた地域は、東北地方のように南北方向に延びた陸で東西両側に海がある場所であることが示された。しかし、茶柱県の描画は北部ではあまり進んでいなかった。

描画第3期(2008年~2009年)編集

第3期は、設定世界観が「日本のどこか」というものから「架空の国」へと移行しつつある時期のことである。

描画している範囲がまた広がり、2008年以降は徐々に架空の国という雰囲気が強まっていくが、あくまでも日本の一部という認識があった。

2008年は描画開始以来最高の速度で描画が進み、茶柱県北部の描画が進んだ。そのことによって、茶柱県の面積が推察できるようになり、岩手県よりも広い面積を持つことが判明し、「日本のどこか」という設定には無理が生じるようになっていた[注釈 7]。そのため次第に「架空の国」という設定に移行しつつあった[注釈 8]

同時期にトレース方法も変化した。それまでは20万分の1でトレースが行われていたが、2008年7月1日から10万分の1に移行している。手描き地図は、それまでの地図にA4用紙を繋げ続けていく方式がとられているため1万分の1のまま変化はない。

また、2008年9月21日、正縮尺の地図が画像として初めてインターネット上で公開された(それまでは路線図や統計のみが公開されていた)。

一方、この頃に描かれた三桝海峡大橋の全長が、吊橋としての長さが明石海峡大橋を超えないように設定されており[注釈 9]、仮に「架空の国」だとしても「地球上の架空の国」と意識されているようである。

しかし、三桝県江島県岩本県平岩県と次々に描画範囲が南へ広がってゆき、2009年の時点で描画範囲は南北500kmを超えていた。このため「地球上の架空の国」という世界観も怪しいものとなっていった。

なお、この頃も長期的な描画は強く意識されており、30年後の完成が目指された。このときは、A4用紙2万枚の地図を描けば完成とされた。

描画第4期 前期 (2010年~2013年)編集

第4期は、設定世界観が「架空の惑星にある架空の国」とされてからの時期のことである。その内、2013年までを第4期前期、2014年以降を第4期後期と呼ぶ。

2010年4月7日、描画範囲を今後広げていくにあたって世界観を明確に決定することとなった。これまでの曖昧な世界観から、「架空惑星上にある架空国家」という設定に変更され、国全域を描くことが長期目標として設定された。これに伴い描画目標枚数がA4用紙2万枚から6~7万枚[注釈 10]に引き上げられ、2043年までに完成させるという目標が設定された。作者が「想像地図を完成させることが自分の使命である」と意識し始めたのもこの時代である。

刷新された世界観を元に描画が進み、同年12月14日には国名が「城栄国」(じょうえいこく)であるという設定が正式に決定した。城栄国は「泉星」(いずみせい)という架空の惑星にあると設定された。なお、旧国鉄が民営化されて誕生した鉄道会社の名称はそのまま「JR」とされた。これは城栄国の頭文字がJだからであるが、「城栄国」という名称が決まる前の段階で地図上のあらゆる場所に「JR」という表記が既に存在しており、もはやJRという名称が変更不可能と判断され、Jで始まる国名が選ばれたという側面もある。なお、城栄の名はの由来は2つある。1つ目の由来は作者が長崎に住んでいた時代の近所の地名、2つ目の由来は作者の本名を音読みした場合「じょうえい」となることである。

同時期に、「大阪のような地域である『生方府』を描く」という目標が打ち立てられた。このとき、大きな街を描くに当たって事前調査が数次にわたり行われ、異なる縮尺で下書きが行われた。これにより、「全体を俯瞰しながら地図を描く」という方法論が成立し、現在に続く「3度の下書きの後の清書」という描画方法が確立する。

また、それまで主要街道筋に沿った線状の描画が行われていたものが、2011年からは街の核を中心とした面的な描画に変化した。そして城栄第2の都市たる生方を中心として各方向へ描画が広げられ、描画は生方府を中心に面的に広がっていった。

2011年6月5日、首都名が南栄、京都に相当する古都名が栄都と決定。また6月26日、泉星の諸元について設定が行われ、今までよりも定量的・数値的な描画が意識されるようになった。

数値的で綿密な計画に基づいた描画方法が確立した甲斐あって、生方府の描画は約1年で完了した。2011年7月30日、生方府は、想像地図世界に登場する都道府県として初めて県内全域の描画が完了した。完了後も生方府の周囲に隣接する県の描画がそのまま続けられた。

8月15日、茶柱県中心ではなく生方府中心の描画に移行しており、既に「城栄国」という世界観が確立していることを鑑みて、地図の名称が想像地図・茶柱から想像地図・城栄に変更された(想像地図研究所の設立はこの日である)。また、8月21日にはサイト名が想像地図・茶柱から想像地図研究所に変更された。これ以降、単に想像地図と呼ばれることも増えてきた。

2012年、隣国に関する言及が行われ、中国に相当する国の名称が「森国」であると設定された。作者が架空言語界隈に触れたことをきっかけに、城栄国の南東の海上で隣接する隣国の「ヒッタン国」の言語、「ヒッタン語」の創作が始められた。また、作者が台湾旅行を経験した影響か、城栄国の南西の海上で隣接する隣国である森国散莱に関してもサイト上で言及されるようになった。森国と散莱は中国と台湾に相当する地域であり、中国語と同じ言語が話されていると設定された。

その後、描画に使われるA4用紙を大量購入・運搬する作戦として、第1回やしま作戦が行われた。

また、第1期および第2期で描かれた図葉の一部について描き直す計画が発表され、12月2日より実際の作業が開始されている。

2013年、作者は初めての青春18切符旅行を行い、13年ぶりの九州上陸を果たした。その影響か、中国地方や九州地方に相当する地域の描画の準備が行われ、同年9月以降に中国地方に相当する係州地方の描画が本格化した。描画速度も加速し、2010年に立てた目標は前倒しされ、2040年までに完成させるという目標が設定された。なお、総枚数1万枚の大台は、九州から戻った直後に達成している。

2013年8月5日、想像地図の図法が修正型正弦曲線図法であることがサイト上で言及された[5]。また、地図上の緯線が地理緯度ではなく修正緯度であったことが明言された。これは、想像地図の描画域が広がっており、惑星の丸みを考慮する必要が出てきたが、それまでの地図を描き直すわけにはいかず、それまでの地図がどの図法で描かれてきたと解釈するのが良いかが検討された結果であり、一種の解釈改憲といえる。

2013年11月以降、作者が多忙を極める時代に突入したが、作者は梢重の夢を見るなど[6]、今までにない経験をいくつもした。また、多忙で創作活動に費やせる時間が減少したにも関わらず、新技術の投入でそれまでになく速いペースで描画が進んだのもこの時代である。

描画第4期 後期(2014年~現在)編集

第4期は、設定世界観が「架空の惑星にある架空の国」とされてからの時期のことだが、中でも2014年以降を第4期後期と呼ぶ[注釈 11]

この時期になると、「第五期構想」というものが持ち上がった。

城栄国の言語に対する設定が、「城栄国で話される言語『城栄語』は、文字・単語・文法・発音のいずれも、日本語に非常に酷似している。その酷似度は驚異的であり、日本語の文章は大概の場合は城栄語の文章として通じるし、逆もまた然り。」とされていることについて批判的な意見が見られるようになった。それはすなわち、「架空惑星の架空国家、つまり異世界である限り、日本語と同じ言語が通じるのはご都合主義的である」という意見である。そこで、第4期に次ぐ第5期では、城栄国で話される言語自体も架空言語をゼロから創り上げることによって、言語に関するご都合主義的な部分をなくそう、というものである。この構想の実現のためには、漢字に相当する表意文字ひらがな・カタカナに相当する表音文字を全てゼロから創作する必要がある。すなわち、中国語(漢文)に相当する架空言語を作り、続いて日本語に相当する架空言語を作る必要がある。この構想に基づき、2014年8月より、中国語に相当する架空言語の創作が開始された。この架空言語は同年10月に千織語と命名され、本格的な創作が始まった。そして、将来創作する予定の、日本語に相当する架空言語は更紗語と命名された。

一方で、架空言語の創作が本格化しても、地図の描画は速度を落とすことなく続けられている。2013年から2014年にかけて導入された新技術で2倍速での描画が可能となり、2015年には想像地図倍速描画計画が実行に移された。完成目標はまた前倒しされ、2028年までに完成させるとされた[1]

2015年1月28日、完成率は30%に到達した。また、5月11日に総枚数が2万枚に到達した。この数字は第3期においてこれだけ描けば完成という値ではあるが、現在の完成目標に比すれば3分の1に満たない。ただし、第3期では「(2009年から)30年後までに2万枚仕上げる」という目標であったため、このときの予想よりも5倍速く描画が進んでいることになる。

2015年6月11日、修正型正弦曲線図法を数学的に厳密に扱う方法が確立し[7]、これ以降、地図に経線が引かれるようになった。

しかし、地図と千織語の両方の創作を同時に続けていることは、作者の心身に多大な負担をかけ続けた。また、千織語は中国語に相当する架空言語であるため当然のことながら背景世界観として日本的ではなく古代中国的な世界観を持っている。これを創作することは、「作者自身が千織世界観に支配されること」をいかに防ぐか格闘し続けることを意味する。そんな中で2015年8月23日、想像地図の作成母体の想像地図研究所は、架空地図や架空言語に関する価値観等の対立から凪霧作者の鮎川氏と紛争状態に突入した(想凪戦争)。扇情的な言い争いによる「紛争」が暫く続いたあと、8月27日15時に戦闘終了が宣言された[注釈 12]

このとき、作者は初めて「作者自身が千織世界観に支配されてしまっていた事実」に気付いた。そこで、「作者自身が千織世界観に支配されること」が再び起きることを防ぐため、千織語の製作を停止し、第五期構想を事実上凍結することが決定した(高樹の決断[8]。また、版図の広がった想像地図の描画に専念するため、一時はヒッタン語の製作凍結も検討されたが、結局はヒッタン語は公式中断宣言はなく、むしろ架空言語の創作活動を凍結しない宣言が行われている[9]。しかし、この宣言以降、架空言語に関する創作は全く行われておらず、実態としては想像地図研究所の架空言語創作活動は停止状態となった。

2015年9月、南栄都中心部の描画が本格的に開始された。最初は幹線鉄道沿線の描画を「第1期作業」として優先的に行うこととなり、11月3日に第1期作業が完了した。

南栄描画第1期作業が完了した直後の2015年11月5日から、作者は再び多忙期に突入し、しばらくは描画速度が停滞していた。しかし、2016年1月に入り、南栄の幹線鉄道の西側の地域の描画が「第2期作業」として着手され、多忙期の一段落ついた2016年3月から本格的に作業が行われ、6月3日に南栄描画第2期作業が完了した。

南栄の描画については、記事「南栄の描画」も参照

その後、南栄の描画は、港湾部を含む南東部地域の描画が「第3期作業」として位置づけられた。第3期作業は何度かの休止を経つつも継続され、10月16日に完了した。これに伴い、南栄の都心の地図が初めてホームページ上で公開された[10]。その後は南栄の描画を一旦停止し、高見県赤松県の描画が進められ、12月中に嶽部山およびたけべ市の大半の描画が完了した。

一方で、2016年内は架空言語の創作活動は全く顧みられることがなく、ついに2016年12月、「城栄国では、日本語とは異なる言語が使われている。しかし想像地図は、地名などを含めて全て日本語に訳されて描かれている。」という解釈(更紗翻訳解釈)を公式設定として取り入れることが決定し(たけべ宣言[注釈 13]、これをもって第五期構想は事実上の未成線化となった。

2017年に入ってからは高見県赤松県に加えて、その南側に隣接する野波県の描画も本格化した。さらに、足踏み状態が続いていた五国地方八州地方についても、部分的ではあるが描画が進められた。そして5月20日、遂に完成率が50%に到達し、作業量的折返し地点を通過した。

2017年6月以降は、五国地方(主に柄本県西部)に加えて、城栄海沿岸の保蘭県の描画が進められた。一方、南栄の描画は、登茂丘陵周辺の描画が「第4期作業」に位置づけられ、9月に着手し、10月に完了した。その後も南栄周辺の描画が継続されたが、高密度な描画が続くことにより描画速度は大きく落ち込んだ。このため、南栄の描画は一旦停止し、八州地方の描画が進められた。描画速度は回復したが、2017年内の描画枚数は2016年内の描画枚数よりも少なくなる見込みであり、2010年から2016年まで連続で加速してきた描画速度が7年ぶりに減速に転じることとなった。

しかし、それでも2028年完成という目標を充分に達成できる速度は維持している状況にある。

年表編集

第1期
  • 2003年6月29日 - 地図の描画を開始。関東西部という設定世界観で開始された。
第2期
  • 2004年 - 描画している領域が広がり、設定世界観が「日本のどこか」というややあいまいなものに変更される。
  • 2006年春頃 - 地図番号制の導入。
  • 2006年夏頃 - 20万分の1地図のトレース開始。
  • 2006年11月5日 - 統計情報など一部のデータをインターネット上で公開(康平PAGEの1コーナーとしての公開)。
第3期
第4期 前期
第4期 後期

最終的には2028年1月1日までに城栄国全域を描く(新規描画を完了する)ことが目標とされている。なお、新規描画が完了した後も、描き直しは行われ、新規描画完了後の描き直し作業は5年ほどかかり、2033年頃に完成する見込みである。

描き直し編集

想像地図は2003年から描画されているため、初期(第1期・第2期)に描かれた部位は現実感が足りないとされている。2012年、それを是正するための描き直し計画が発表され[11]、2012年12月2日より実際に描き直す作業が開始されている。

詳細は想像地図の描き直しを参照

2028年問題編集

現在に至るまで想像地図の創作活動は9割以上が作者1人の手によって行われてきた。その間に想像地図の創作は高度に体系化が進み、娯楽の哲学化などといった現象も発生し、後世への作品の継承をどうするかという問題である「想像地図2028年問題」が意識されるようになってきている。

詳細は想像地図2028年問題を参照

注釈編集

  1. 2015年1月2日に採択された想像地図倍速描画計画では、2028年1月1日を完成予定日としている。
  2. 地図番号制は2006年に導入された。
  3. 「マイナス」と「ハイフン」を誤認する恐れがあるためとされる。
  4. 「麻生政権による高速道路無料化」の描写が登場しており、舞台が日本であることを示してしまっている。この描写は、現在の想像地図の世界観設定の「想像地図世界は異星(泉星)の異国(城栄国)である」というものに反する。
  5. 描画範囲が狭いため、設定世界観が完全架空かどうかは設定されていなかったが、当時の作者に「架空の星」という発想はなかったであろう。
  6. 2006年に60年後の完成という計算値は、計算結果のみが記録に残っており、どのような前提で導き出された値であるかについての記録が曖昧である。
  7. もし茶柱県が日本の48番目の県だとすれば、北海道を除く都府県の中で最大の面積を持つこととなってしまうため。
  8. 実際は高速無料化などこの時代の日本で起きた事象に設定が追随している。
  9. もし地球上に想像地図世界があったとしても世界一の吊橋の座を三桝海峡大橋が奪ってしまわないように巧妙に設定が練られている。また、旧国鉄が民営化されて誕生した鉄道会社の名称も「JR」のままである。このように、どこかやはり日本の一部であるというイメージが払拭できていない。
  10. 2010年4月7日の資料には「6~7万枚」という記載があるが、現在は61000枚という目標値になっている。
  11. より正確には、梢重の夢を見た2013年11月14日以降を第4期後期としている。
  12. 宣言通り戦闘はこれ以降終結しているが、戦闘停止宣言は一方的であり、両者の間で正式な講和には至ったものではない。もとより鮎川氏は交戦事実を認めていない。
  13. 解釈の名称が「更紗翻訳解釈」、解釈を正式採用する宣言の名称が「たけべ宣言」である。
  14. 当初は「異世界の漢字の創作の試み」として創作開始。2014年10月20日より正式名称が千織語となった。
  15. その後の設定変更により「浦崎県」に改められた。

脚注編集

  1. 1.0 1.1 想像地図の進捗と大きさ
  2. 想像地図の世界観
  3. 想像地図の描画風景
  4. 想像地図創作規定第7条
  5. 想像地図の投影図法について
  6. 6.0 6.1 2013年11月14日に見た夢 「滝本」
  7. 修正型正弦曲線図法の総論(PDF)
  8. @koridentetsuの2015年8月23日のツイート
  9. @souzoumapの2015年8月31日のツイート
  10. S140,E140【南栄南東】
  11. 想像地図の描き直し

関連項目編集

外部リンク編集


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